312 ガイガーさんの工房の訪問

ニュールンベルクの旧市街の先にガイガーさんの工房があります。

ガイガーさんはバイオリンなどの弦楽器を作られている方です。ちなみに、バイオリンのことをドイツ語でガイゲと言い、バイオリンを作る人、もしくは演奏する人のことをガイガーと言います。

生まれつきの弦楽器の職人さんのようです。でもお父さんはバイオリンの職人さんではなかったようです。

ガイガーさんのところでクロッタが作られていて、それを参考にさせてもらったので、お礼の挨拶に出かけました。


ガイガーさんの工房は、建物の2階にありました。

建物の入り口にいくつかのボタンがあり、そこに階と名前が書かれています。2階のガイガーさんの名前のボタンを押すと、少し間をおいて、ジーという音がドアのところからしますので、鳴っている間にドアを押して入ります。鳴り終わると押してもドアは空きません。緊張しながら二階に上がっていきました。

扉を開けると、ガイガーさんはお客さんと話をしています。

待っている間に部屋の見学です。


バイオリンやチェロなど、たくさんの楽器が並んでいます。左側は工房になっていて、二人の人が作業をしています。一人は筆でチェロに色を塗っています。もう一人の人はカンナで楽器を削っています。ザーレムライア工房を知っている私は、この狭い空間の中からバイオリンやチェロ、コントラバスが生まれてくるのか、と思うと結構驚きです。

それにしても、さすがドイツの工房です。すべてが整然と美しく整理されています。私の工房とは大違いです (比べる対象が悪い)。


おお!奥の方にはクロッタが何台も展示してあります。

お客様の対応を終わられて、私の番です。早速、クロッタを作って販売していることを話しました。

ガイガーさんは椅子を勧めてくれて、話をしてくれました。


メインの仕事はバイオリンやチェロなどのメンテナンス、修理、制作で、クロッタは音楽療法をされている人たちのために少しだけ制作していること、療法の方々のために価格を抑えていること、だから、クロッタの制作では利益が上がらないこと、などを話していただきました。

あるとき、お客様から「クロッタを20台ほど注文したいので、割引してくれないか?」と尋ねられたそうです。ガイガーさんは、「クロッタばっかりを作っていたら私たちは他の肝心な仕事が出来なくなって、収入を得ることが出来なくなる。ましてや割引など出来ない。」と言われたそうです。ガイガーさんは「クロッタを作るときはとにかく台数をまとめて作って手間を省きなさい。」とアドヴァイスしてくれました。ニーダーさんの話をすると知っていると言われ、うれしくなってしまいました。


挨拶をして、階段を下りていくと入り口のガラス戸がとてもきれいな色合いだったので、思わず写真を撮ってしまいました。

ガイガーさんの工房を後にすると、今度はカッパーベルを作っている障がい者の共同体に向かって出発です。
2017/04/21
井手芳弘

(*twitter)

@peroIdee